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『陸王』~こはぜ屋宮沢社長へのアドバイス、そんなプレゼンじゃあきません~

  • 2017.10.26

TBSドラマ 『陸王』初回2時間スペシャルはご覧になりましたか?

毎回ツッコミどころ満載!の池井戸作品が始まりました。斜めから観るとさらに面白いんです。
足袋屋が困難の末、畑違いのランニングシューズ作りで成功するというストーリーなんじゃないかなと思われます。今後も期待してます。 

 

初回の放送は、こんなお話でした。 足袋だけ作っていてもこの先経営が先細りするだけいう危機感を抱き、こはぜ屋の宮沢社長(役所広司)は足袋づくりの技術を生かしたランニングシューズを開発します。しかし、実績が無いのでランニングシューズが売れる見込みはなく、頭を抱える宮沢社長。
そこに舞い込んだ、とある学校からのコンペ参加依頼。新商品のランニングシューズを採用してもらうべく、宮沢社長は学校に赴き、競合プレゼンに臨みます。

 

ところがこのプレゼン、初歩的な間違いを犯してしまっています。ストーリー的には「社長!素晴らしいプレゼンでした、あれなら絶対勝てます!」(by丁稚)みたいなことになっているのですが、観ている側としては、そんなプレゼンで勝てるわけないじゃないか、とツッコミどころ満載なんです(笑)。

 以下は実際のビジネスプレゼンをご指導申し上げている視点からのツッコミです。 
 
++++++++++ドラマのシーンより++++++++++

まず、

「みなさん、本日はお時間を頂きまして有難うございます」

(これは、短いからまぁいいけど、このへり下る節、長いとだんだん聞き手のテンションが下がりますよね!)

「私共、こはぜ屋は埼玉県行田市で100年足袋づくりをしてまいりまして、この度そこで培ったノウハウを生かして<ガサゴソ>あっ、このような<ガサゴソガサゴソ>ランニングシューズを開発しました。」

(挨拶と大事なこと伝えてる部分はいいんだけど、社長!メインとなる靴はすぐ出せるようにしてください!)


「初めは先細る足袋産業をどうにかしなければという想いから始めたのですが、走りのメカニズムを学ぶうちに足袋の構造が、実は安全で怪我のないランニングを実現することに大いに役立つことを知りました。その時の感動は!今でもはっきりと覚えています!世の中から忘れ去られつつある足袋にもまだ存在意義が残ってたんだ、私たちがやって来たことは無駄ではなかったんだと、いやー、ほんとうに嬉しかったです!」

(開発の経緯とか苦労とか感動とか、商品を買うかどうかを考えている人に最初から伝えるものではありません!苦労して作ったらしいから、あるいは足袋が廃れると気の毒だからこの靴採用しよう、ってなことにはならないので。社長が感動したかどうかはどうでもいいから、買い手を感動させなくちゃ!こりゃ関係なさそうな話だなと思って、私ならそろそろ寝ちゃうかもっ!プレゼンの最後で少し出すくらいなら共感を得られるけれど、順序と分量を考えましょう。)


****息子が面接に落ちる毎度のシーンが挿入され****


「自分の子供にあとをつがせてやることもできず、時代の流れに負けて消えていく技術や伝統はたくさんあります。しかし、こうして形を変えることで新しく生まれ変わることができる、そういう文化を子供達にも身近に感じてもらって次の時代に継承していってもらいたいな、と。そういう思いを込めて私たちはこのシューズを作りました。」

(子供に跡継がせたいっていう思いをシューズの買い手に語っても仕方ないから、このくだりは不要!それよりシューズの機能について語りましょう!)


「このシューズの構造についてはもちろん自信を持っております。」

(もともとランニングシューズの素人なのに自信ある、なんて言われても説得力ないし。しかも、自信を持っているなどという抽象的な言葉じゃなくて、もっと具体的、客観的にシューズの利点を語って!)


「それ以上にあえて言わせていただくと、これは日本人が履くべきシューズです。ぜひこのシューズをこの国の未来を担う多くの子供達に履いていただきたいと、今日はお願いにやって参りました。ありがとうございます。」

(息子が面接落ちてるシーンの間に、きちんとミッドフット走行が怪我を防ぐとか、日本人にはもともとミッドフット走行が適しているとか、そういうくだりがあったということでしょうか?じゃないと、日本人は足袋を履くべきという安易な結論にしか聞こえません!!)

 

そして、付き添いの丁稚、感激して大拍手、それにつられてやっと会場拍手…。

  ++++++++++ドラマのシーン終了++++++++++


 宮沢社長の間の取り方、滑舌の良さ、声の響き、笑顔、どれをとっても話し方は素晴らしく上手いのに、内容が残念で、実に惜しかった。ドラマのストーリー上は社長がうまいプレゼンをした、という流れにされていましたが、
見ているこちらはなんだかモヤモヤ!

そもそも商品の売り込みに来ているのであれば、

プレゼン構成の     「イントロ(つかみ)ーボディ(本論)ーエンディング(結論)」

のうち、この「イントロ=つかみ」で当該商品に人々の興味を惹きつけることが何より大切なはず。

にも拘わらず、とつとつと語り手の心情を伝える、プレゼン手法でいうと「ストーリーテリング」といわれる手法を使ってしまいましたね。うーむ、これだと聴衆に商品の魅力を伝えるのは、なかなか難しいかもしれません。

社長にプレゼンについてアドバイスをするとしたら、まずイントロで、

「先日の豊橋マラソンを間近で見ていて、ふと、あるシューズの開発をひらめきました!」
と言ってみて、なんで?と思わせてから、「足袋シューズの開発です!」と出してみるとか。


「優勝したケニアの選手とそのほかの日本人選手、走り方の一番大きな違いは何だと思いますか?」
という質問から入ってみるとか。

そこから
・ミッドフット走行の利点を並べ、
・ミッドフット走行するためには足袋シューズが適しているという話とその根拠を展開、
・結論として足袋シューズを採用すべきだ!
と「強い提案」(=メインメッセージ)を出していただきたかったです。

更に、今までの厚底シューズのほうがいいのではないか、という反論とそれに対する反駁までを入れらればなお良かった!
今回のプレゼンの一番の敗因は「買った人にどんなメリットがあるのか」、という商品の魅力を伝えようという視点に欠けていた点でしょう。

せっかく商品がいいのにコンペで負けて残念!

こはぜ屋の皆さん、大事なプレゼンの前にはアルバ・エデュにご相談くださいね(笑)!!!

(Y)